バンドと舞台が好きな人間がある日グレショー銀河鉄道の夜を見てAぇ! groupに落ちた(のでその個人的備忘録)

2021年6月半ばのある日、TVerで配信されていた番組をほんの軽い気持ちで見始めた。それが新たな推しを人生に出現させるとも知らず。

 

Aぇ! group出演の「THE GREATEST SHOW-NEN」銀河鉄道の夜、第一夜目だった。

 

きっかけは、この番組の元になった公演に楽曲を書き下ろしたタテタカコさんのツイートです。タテさんが曲を提供した演劇が形を変えテレビで放送されるとそこで知り、元々彼女の音楽が好きだったので見てみようと自然な成り行きで決めました。Aぇ! groupの先輩にあたるジャニーズのグループを短い期間ですが好きだったこともあり(というか今も緩く推しています)、アイドルに対する偏見はないつもりではいました。しかし、グループ名だけは聞いたことがある、くらいのほぼ何も知らないJr.の人たち。この時点では、演者が誰であるかについての意識は正直言ってほとんどなく、タテさんの音楽への関心が主で、自分がのちに出演者の沼に落ちるなんて微塵も考えてはいませんでした。

 

初回を見終え、すごく良いのでは…?と率直に思いました。録画できるものでもないし、その週は一度見ただけなので内容の記憶も今や曖昧です。ただ、何が良かったと言語化できるほどはっきりとしたものではないものの、来週もまた見るだろうなと感じ、実際そうさせる力がありました。まだ、音楽と演目がいいからだろうなぁと、そこまで迫る沼の深さに気付かずのうのうとしていた頃です。

 

二週目を見、はっきりこの公演が好きだと感じ、三週目を楽しみに待ちました。四週目が配信されたあとには、同じ番組を繰り返し見るようになっていました。

見るたびの、ものすごく歌えるし踊れるし、台詞も言える人たちだな? とどんどん気付いて行く過程が素直に楽しい。原作はこれまで何度も読んできた名作であり、脚本も演出も、もちろん音楽も素晴らしい。そして何より、当初は興味の対象ではなかった俳優たちの圧倒的な魅力に気付いてしまっていました。歌えて踊れて演技が上手いだけではない、キャラの立ちまくっている個性的な集団の面白さ。公演へのひたむきなその姿勢。

見始めた当初はグループの人数もうろ覚えで、6人と2人だと思わずこういう8人の役者がいる劇団があり、舞台上での素晴らしさとともにそれを作っていくドキュメンタリーとしての面白さも見られ、彼らの真摯さにどんどん惹かれている、という現実だけがあったという実感です。この劇団がこのあとも存在していたなら、きっと迷わず次の公演に通い詰めていたと思います。

 

そして最終週、カンパネルラが死んだ翌朝の授業でそれまでと変わって力強く天の川の説明をするジョバンニに泣き、あの特徴的な深い声で星めぐりの歌を歌うのを聴いたとき、自分が後戻りできない地点にいると分かりました。

 

彼らのことを調べ始め、元々加入していたParaviで彼らの番組が配信されているのを知り、見始めました。

びっくりしました。ものすごく。

面白かった。

めちゃくちゃ面白かった。

もちろん、今の時代アイドルだって笑いに貪欲なことくらいはさすがに既知のことでした。

とはいえ、あのカンパネルラが、ギャグ……?  

過酷なロケに身体を張り、スタジオで芸人さんと笑いを作る、この人たちがあの銀河鉄道の夜をあの真摯さで演じたんだという驚き。

 

YouTube、Island TV、GYAO! など潤沢にある公式動画を見始め、加速度的にハマって行くのに時間はかかりませんでした。ファンの方々のTwitterなどを参考にしながら、そこで話題に上っていた一次資料を探す、ということも無意識に始めてしまっていました。端的にいうと、過去の雑誌を買い漁り始めました。すると、アイドル特有のグループ内での人間関係の濃さに行き当たり、そこはもう沼。ジョバンニとジョバンニのお父さんて「グループに対するお互いの正義感のぶつかり合い」とかしちゃうんだ、言い争ってのちに仲直りした話とかしちゃうんだ、ふーん萌え熱いじゃん……

最年長の彼は仕事に呼ばれない時期がそんなにも長くあったんだねその悔しさを胸に抱いてるんだね……

など色々な感慨が押し寄せ、使える時間のほとんどを彼らに充てるようになっていきました。

 

 

 

 

 

 

 

さて以下は、6人それぞれへ対する、落ちて1ヶ月強のド新規の今のところの簡単な所見です。

もちろん全力で褒めているんですが、ごく表面的に触れただけのものですし、もしかしなくても事実誤認や解釈の間違いがあるかと思います。元々のファンの方々を不快にさせないといいなと願いながら、あとで変化することも前提で、今の勝手な感想を吐き出します。

 

 

 

 

末澤誠也くん

このグループを知ったとき、6人が6人ともあつらえたようにぴったりとその人のキャラクターに合う声質をしていることに驚いた。中でもその最たる人かもしれない。エンジェリックな高音の中に、治安の悪さと色気とを同時に存在させることができる、ちょっと他にない忘れがたい歌声。脳内再生率がバカ高く、もっと聴きたいから音源リリースして欲しいと切実に願う、ものすごく好きな声。

この人がこのキャラクターでこの声でツッコむことで、バラエティー番組でみんなすごく助かるんだろうなぁと見ていて思う。

絶対ヤンキーじゃんと第一印象思いました(…)。関西の狂犬とかいう異名も聞いたし(本当は違うらしいですが)。なのに今や最年少メンバーはじめ後輩にゴリゴリにいじられおもちゃにされているというギャップ。それに対して的確にツッコんだり、適度に振り回されたり、嫌がらず心から楽しそうにしているのは、広い度量がある人だからなんでしょうね。

そして、ダンスかっこよすぎじゃないですか?  バラエティーでのイメージや歌うときともまた違う、端正な所作。個人的に普段好きで観るダンスのジャンルはコンテンポラリーなんですが、そういうものも是非見てみたいと思わされる。スポーツ的技術的な上手さ以上の、人を惹きつける艶のようなものがありますね。問答無用で目で追ってしまう人。

 

 

 

・草間リチャード敬太くん

目立つ外見をしている人なのだろうが、私はまずその声の良さに驚かされた。DASH島の真面目そうなというかやや不憫な後輩としての姿だけは知っていたが、そのときは鼻を使った柔らかい発声のはんなりした関西弁を話す人だと思っていた。しかし銀河鉄道の夜では役によって様々に声の出し方が切り替わり、それがあまりに上手なので画面を注視していないとそれを発したのがリチャードくんなのか一瞬追えなくなることがあり、声の引き出しが多い人なんだなぁとそのポテンシャルに驚いた。あと単純に地声が良い。倍音の多い、耳に心地良い特別な声。Island TVで佐野くんにハッピーバースデーをみんなで歌うところ、彼らを知ってすぐの頃に見てかっこよくて驚いた。楽屋で回す自撮りで何気なく歌ってあのクオリティは惚れざるを得ない。その後色々見た映像の中の歌声とサックスに、DASH島の草間こんなにかっこいい人だったのかー!!!の連続でした。

そして言わずもがなのダンス。こんなのずるい。才能の塊かよ。グループの中でダンスを牽引するのがリチャードくんと末澤くんなのだと思うのですが、それぞれ得意なジャンルが違うのはきっとグループにとって大きな強みなんでしょうね。

あと、目がきれいすぎて毎度毎度はっとして見とれます。優しい雰囲気に癒されますね。

 

 

 

・正門良規くん

ジョバンニ。

この人にAぇ! groupの沼に引きずり込まれた。何度も同じことを言って申し訳ないが、全員個性がバラバラでそれぞれに素敵な声をしているグループである。その中にあって、更に際立つ特徴的な低音。カンパネルラが死んだ翌朝の授業で天の川の説明をする場面でこっちはすでに落涙してるのに、ノートの詩を読み始めそしてマイクを渡され台詞から一気に流れるように星めぐりの歌を歌い出した途端、あの深い歌声。落ちますって。この役柄全体に言えることだが、無垢をあんなに無理なく演じ切るってきっと相当難しいことのはず。

最初、センター? 一番普通っぽいのに?  とか思ってほんとごめん。10年ジャニーズにいてあんなにboy next doorな雰囲気が残ってるのがどんなに稀有なことかよく分かっていなかった。見つけてしまったら目を離せなくなるタイプのアイドルですね。Island TVにあるギターの基礎練教える動画見てなんか変な声出た。担当の人に死者を出してそう。

かわいさにも種類があるが、かわいい!と元気に叫ぶというより、か、かわいい……………と床をゴロンゴロン転げ回りながら身悶えさせられるタイプの、抜け出せなくなる魅力を持つ恐ろしい人なのではと察する。尊敬と同時に巨大な庇護欲を掻き立てられる推しに出会うと、そこはとんでもなく深い沼になると分かっているので、そのヤバさに震えています。

 

 

 

・福本大晴くん

ギャグ、ギャガー、ギャゲスト。だってIsland TVを時系列で見ていったらもう最初その印象しか残らない。しかしその同じ人が、つかみどころの少ないカンパネルラという役を不思議な透明感で演じるのだからポテンシャル恐ろしい。そしてめちゃ賢いらしいですね?   情報多くて混乱する。GYAO! のコスプレのやつの女装がかわいい。かわいいんだけど絶妙にイラッとさせるさじ加減で、それが天然なのか作意なのかは分からないがおもしろかわいくてすごく好き。

第一印象、一番アイドルっぽいと思った。個性的な人の集まるグループの中に、この人の指向するアイドルっぽさが絶対に必要なんだろうと素人目にも分かる。なのにギャグ。かわいらしいお顔立ちをし、Aぇ! 風のカポエイラの回とかで高い運動能力を見せつけ、難読漢字をあっという間に憶える場面には思わずときめいてしまったし、シュッとしたアイドルしてていいと思うのに、ギャグ。好きです。

個人的に、Aぇ! 風の最低限の装備でサバイバルする回でサボる末澤くんにキレてる姿がめっちゃ刺さった。仲のいい小島くんに鋭くつっこんでいるときに柄が悪くなるのも良い。番組の企画の流れを生かすコメントを声を張らずに読点のように発するようなとき、角度の違う視点を持つ頭の良さが垣間見え、ツッコミ側に回ったところも見てみたいと思わされる。

 

 

 

・小島健くん

バラエティーを見始めた頃や、YouTubeのキャンプ企画を見たりしたときには、完全にお笑い寄りの人なのだと思っていた。奇人そうな独特の空気を身にまとい、メンバーにつっこまれたりイジられたりするおもしろリーダーなんだなと。なんとその美しさに気付いていなかったんですね私。そんな中で見たYouTubeのStray dogs.です。汗で濡れた前髪の間の睨むような鋭い目。ルッキズムに与しないよう冷静に注意を払って生きてきたはずの人間からあっさりと理性を奪い、映るたび、ヤッバ、ヤッッッバ…!!!と狂ったように繰り返し叫ばせた圧倒的な美。あまりにかっこいいものを見ると、人は持てる感情のキャパを超えてなんだかただ笑ってしまうんだという得難い経験をしました。

そしてキーボードを弾く姿にも別のギャップがありますね。動きが抑制される分、楽しげな運指に目が行きとても爽やかな色気が出る。あと、カメラ前だろうと素直に感情を出しちゃうところ、かわいいと思います。色んな人に愛されるのは、愛をまず与える人だからなんでしょうね。

そういえば、アウトデラックスTHE BACK HORNの菅波さんと絡んでいるのを見ていた。その頃は菅波さん目当てで番組を見ていて名前も覚えていなかったのに、今や推してるんだから人生何があるか分かりません。

 

 

 

・佐野晶哉くん

知って行くにつれて一番驚かされた人かもしれない。だってあまりにも色々出来すぎる。ヤングシンバだったってなにごと。幼い頃からしっかり訓練されたのだろう歌や演技。キレッキレのアクロバットまで目にしたときには凄すぎて笑ってしまった。ピアノ弾き語りの名脇役も最高でしたね。何度も繰り返し聴きました。グループのオリジナル曲のうち2曲は彼の作だって本当ですか。じゃあドラムも元々叩けていたのかと思いきや、出来るかと訊かれ、叩けたわけではないのに出来ますと答え、猛練習ののち次の稽古に間に合わせたとかいうド根性。

そしてもちろんそういった音楽面での実力とともに、注目すべきは笑いのセンスですよね。暴走少年。発想豊かな一挙一動が面白くて、このつらいコロナ禍、久々に涙出るくらい笑ったなぁと1番組見終えたあとに気付きありがたいような気にすらなった。ワードチョイスが的確で、彼の一言をわくわくしながら待っている自分がいる。こんなに何でも出来てまだ19才。末恐ろしい。どうか思う様伸びやかに育っていってほしい。もちろん今でも十二分に素敵ですが、このまま貪欲な向上心を持ち続け、数年後途轍もなくイケ散らかした大人になってるのが目に見えるよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

………というのを書いてから少し時間が経ち、解像度が上がり、今現在また少しずつ深まった印象や感想を持ったりもしているんですが(予想外の自担が出来たりもしました)、長くなるのでこの辺りで!